バベルの図書館は完成しない

Extended outer memory module
for my poor native memory.

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Golang の正規表現ライブラリの処理の流れをざっくり掴む

検索という処理を自由に効率良く行うのは夢があるなと常々思っていたんだけど、正規表現すらちゃんとわかっていなかったのでその実装をちょっと調べてみようと思った。(その上で簡単なものを自分で実装できるといいなーって)

Golang なら標準ライブラリが全部 Golang で書かれているはずだし、 C 読むよりは簡単かなと思った。

ということで Golang の正規表現ライブラリを眺めてみたログ

対象のバージョンは 1.12.5

おおまかな流れ

正規表現と文字列を与えてマッチするかどうかを Boolean で返すような処理を考える

正規表現形式の文字列を受け取る (regexp.Compile)

-> パースして Regexp 構造体を作る (syntax.Parse)

================================================

検索対象の文字列を受け取る (Regexp.Match)

-> マッチするかを判定する (Regexp.doExecute)

Compile

regexp パッケージの Compile 関数は private な compile 関数のラッパーになっている。 (MustCompileCompilePOSIX も同じ。フラグの立て方などが変わるだけ。)

今回は処理の流れを見ていくだけなので、フラグ等は全部無視する。 https://github.com/golang/go/blob/go1.12.5/src/regexp/regexp.go#L167-L215

Parse

内部的には syntax パッケージの Parse を呼んでいる。 https://github.com/golang/go/blob/go1.12.5/src/regexp/syntax/parse.go#L698-L903

この Parse 関数は内部的に変数 pt を持っていて、これらに操作を行うことでパース(コンパイル)を行なっている。

pparser 構造体を表している。いくつかのアトリビュートを持っているが、重要なのは stack だと思う。これは Regexp 構造体へのポインタのスライスになっている。 https://github.com/golang/go/blob/go1.12.5/src/regexp/syntax/parse.go#L79-L86

ここでいう Regexp 構造体は regexp パッケージに定義されているものとは異なる。 https://github.com/golang/go/blob/go1.12.5/src/regexp/syntax/regexp.go#L16-L27

t は正規表現形式として受け取った文字列を表している。

Parse 関数の内部では受け取った t 文字列を一文字ずつ(これは場合によっては嘘かも)読んでいって Opcode に変換し、 parserop メソッドを利用して Regexp 構造体の Op アトリビュートに詰めて stack に積んでいく。 https://github.com/golang/go/blob/go1.12.5/src/regexp/syntax/parse.go#L213-L219

Opcode は以下で定義されている。 https://github.com/golang/go/blob/go1.12.5/src/regexp/syntax/regexp.go#L34-L58

例えば | オペレータはその前後を等価に扱って、どっちかにマッチするかを見る特殊文字だけど、これを表現するために正規表現はツリー的な構造になっているはず。そこで stack に積まれた Regexp 構造体を徐々にツリーにしていく parsercollaspe メソッドもある。 https://github.com/golang/go/blob/go1.12.5/src/regexp/syntax/parse.go#L365-L392

Simplify

パースしてできた syntaxRegexp 構造体を、等価性を保ったまま変換していく Simplify メソッドを実行する。 https://github.com/golang/go/blob/go1.12.5/src/regexp/syntax/simplify.go#L7-L117

このメソッド内でやっていることは最適化の類だと思うので一旦スキップする。

Compile

Simplify を実行した syntaxRegexp 構造体に対して Compile を行う。 https://github.com/golang/go/blob/go1.12.5/src/regexp/syntax/compile.go#L78-L87

内部的には compiler 構造体の compile メソッドを叩いている。 https://github.com/golang/go/blob/go1.12.5/src/regexp/syntax/compile.go#L98-L168

compiler 構造体は Prog 構造体へのポインタだけを持っていて、 Prog 構造体は以下のような定義になっている。 https://github.com/golang/go/blob/go1.12.5/src/regexp/syntax/prog.go#L16-L21

Prog 構造体は Inst 構造体のスライスを持っていて、たぶんこれがひとつの Opcode に対応するのかな。 Inst 構造体の定義は以下。 Out とか Arg とかっていうアトリビュートも持っているんだけど、これらがなにを表す情報なのかはいまいちわかっていない。 https://github.com/golang/go/blob/go1.12.5/src/regexp/syntax/prog.go#L111-L117

最終的に CompileInst の集合を表す Prog 構造体へのポインタを返す。

その後…

正規表現リテラルが Inst 構造体の集合である Prog 構造体の形式にまで変換(コンパイル)されたら、それを regexp パッケージに定義された Regexp 構造体の prog アトリビュートに入れ他にも様々なフラグや情報を入れた上で、 Regexp 構造体へのポインタを返却して regexp パッケージの compile 関数は処理を終える。

ここまでが正規表現のコンパイル処理。

Match

正規表現を用いて検索相当の処理をするために、その引数や戻り値、検索方法によって様々なメソッドが用意されている。 それらは全て doExecute に対してどう引数を渡すかが異なっている。 https://github.com/golang/go/blob/go1.12.5/src/regexp/exec.go#L517-L546

doExecute 内ではまず Regexp 構造体の get メソッドを叩いて machine 構造体へのポインタを取得する。 machine 構造体は matchPool にプーリングされているみたい。 https://github.com/golang/go/blob/go1.12.5/src/regexp/regexp.go#L228-L256 matchPool は以下で定義されている。説明読んでもいまいちなんのための最適化なのかわからないな…。 https://github.com/golang/go/blob/go1.12.5/src/regexp/regexp.go#L217-L226

この machine 構造体は以下のような定義になっている。これが正規表現でのいわゆるステートマシンに相当するのかな。 https://github.com/golang/go/blob/go1.12.5/src/regexp/exec.go#L37-L47

machine の初期化を行うなどした上で、最終的にマッチするかの判定は machine 構造体の match メソッドで行う。 https://github.com/golang/go/blob/go1.12.5/src/regexp/exec.go#L172-L243 ここでは正規表現が対象文字列に対してどうマッチしているかを machine 構造体の matchcap というアトリビュートで管理している。 matchcap は int のスライス型。

そのあとで Regexp 構造体の put メソッドを叩いて、 machine 構造体を matchPool に格納するみたい。 https://github.com/golang/go/blob/go1.12.5/src/regexp/regexp.go#L258-L264

最終的に machine 構造体の matchcap というアトリビュート返す。 https://github.com/golang/go/blob/go1.12.5/src/regexp/regexp.go#L93

おわりに

という流れみたいです。

朝の空いてる時間でザーッと読んだけど、今度は詳細な処理について追ってみようかな。 理解が間違っているところもいくつかありそうな気がするし。

2019/05/27 06:27
tags: golang - regexp
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